1829年創業、 ”ノーザンプトンで最古の歴史” を誇り、 ”英国王室御用達”
としても知られるトリッカーズ。
同社は180年以上という長きにわたり、様々なモデルを生み出して今に至ります。
その一つとして、最も代表的なコレクションである ”カントリー・コレクション” 。
”ダブルソール” と言われる分厚いソール備えたそのシューズやブーツたちは元々、コレクション・ネームのとおりイギリスの
”カントリー・サイド” で “ハンティング” や ”トレッキング” などの野山を歩くために適した靴として生み出されました。
アッパーに施されている ”パーフォレーション(大小の穴)” の持つ意味は諸説あり、デザインの一つとしてや濡れた革を乾きやすくするため、または傷や汚れがついても目立ちにくくさせるためとも言われています。
故にこれらの靴たちはデザインの面からも、また採用される素材の面からも理に適った意味合いを持つものが多くあり、今では
”究極の実用靴” などと言われるくらい、街履きとしても認知されています。
トリッカーズは、上質のカーフやスウェードなどの素材を多種多色ストックし、 ”メイド・トゥ・オーダー” を行っています。
色によっては微妙な濃淡の違いで取り揃えている革もあれば、特殊な鞣し方によりタフな素材に仕上げた革など様々。
それらは、世界各国の顧客からの注文に柔軟な対応ができるよう、バリエーション豊富です。
”カモフラージュ” 、それは ”ミリタリー” を語る上では外すことのできない一つのアイコン。
“戦争” という “ネガティブ” なイメージを思い浮かべるかもしれませんが、平穏な生活を送ることができているからこそ、
ファションの要素として成立しているという ”ポジティブ” な捉え方をするのも一つの考え方です。
このモチーフを ”レザー” に、そしてこれを使って “靴” にできないか。。。そういった思い共にこの “プロジェクト”
は動き出しました。
勿論、彼らが扱うレザー・コレクションのラインナップには入っていません。
工場の規模や生産国の背景、素材のクオリティなどを気にしなければ容易に形になるかもしれませんが、トリッカーズはそう、 ”イギリス” です。
容易なことではありませんでした。
”古き良きもの” を大切にし、歴史や伝統を重んじるお国柄であり、その国の靴の聖地にて ”最古の歴史を持つシューメーカー”
個人的に少量を買おうとしても、気に入った質感のものが容易に手に入れることが難しい革。
ましてや企業として革を取り扱うタンナーから素材を仕入れるには、それ相当のミニマムが必要となります。
更に、いざ仕入れることができるようになったとしても、タンナーにオーダーしたのちに ”皮” から ”革” へと仕上がるまでにも数日とはいきません。
時間をかけて鞣され、仕上げられなければなりません。
“英国の名立たるシューメーカー” の一つとされ、”靴の聖地ノーザンプトン最古参” であるトリッカーズにて、
このレザーを取り扱うことが許されたことは大変誇らしいことであり、同社の寛容な姿勢と多大な協力なくしては採用されることが不可能だった ”カモフラージュ・レザー”
。
そう言った経緯を経てようやく完成したレザーを、トリッカーズにおいて最も代表的な
”カントリー・コレクション” のモデルの一つである フルブローグ・ダービーシューズ ”Keswick” に採用。
しっかりと時間をかけて鞣された上質な革を用いて、彼らの他のモデルたちと同様に200以上にも及ぶ工程を経て生産され、
仕上げには一足づつハンドフィニッシュが施されています。
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